このツールで何ができるのか?

このツールは、複雑な要望や要求仕様を、誰でも理解しやすい“構造”として整理・可視化する補助ツールです。
・ 何が引き金になって、どのような流れで処理が進むのか
・ システム外の関係者(ハードウェア含む)が、どこで影響を及ぼすのか
・ 全体の中で、本当に重要な情報やデータはどこか
──そうしたポイントを図や構造で“見える形”にまとめることで、
関係者間の認識をそろえ、抜け・ズレ・矛盾の早期発見につなげます。
この整理された構造は、そのまま設計・レビュー・テストにも活用できるため、
**スピードと品質確保の両立を支援します。
あくまでこのツールは、人の思考と対話を助ける補助的な存在。
構造的に考える土台を作り、開発工程の中でも一番難しい工程の要求・要件定義フェーズにて、プロジェクト全体の精度と推進力を底上げします。
なぜこのツールを作ったのか?

開発現場では、資料や文章が大量に存在していても、全体像がつかめないプロジェクトが少なくありません。
・ 外部の関係者が整理されておらず、重要な要件が仕様に含まれていない
・ システム全体に関わる最重要なデータ定義が不明確
・ 詳細な要求が抜けたまま進み、後工程での修正や手戻りが多発
その結果、開発メンバーの作業負荷が大きくなり、本来向き合うべき付加価値のある仕事に手が回らないという状況が繰り返されています。
このような現場の構造的課題を解決するために、私たちはこの要求モデリング分析補助ツールを開発しました。
支援実績のご紹介

まだ少数ですが、現在お客様へ支援する中で、以下効果が見られました。
・ 複雑な要求・仕様が構造として“見える形”になる
・ 発注と受注の間で、共通認識が早く持てる
・ 抜け・矛盾・曖昧さを初期段階で発見できる
・ 設計・レビュー・ドキュメントの品質が安定する
・ 手戻りやコミュニケーションコストが減り、開発が早く・確実に進む
ツールの使い方
このツールは、設計や記述の「思考整理」を支援するための補助ツールです。
操作はシンプルで、誰でも扱える構造になっています。
ツール操作

システムに対して、要求仕様を自然言語にて記載し、
開始ボタンを実行するのみです。

全体俯瞰とシステム外部の連携を俯瞰した図(コンテキストダイアグラム)と要求一覧(イベントリスト)が出力されます。
また、どちらも図表もデータのIN/OUTがされます。
全体俯瞰図で、システム内部と外部の境界を明確に分け(スコーピング)、データのIN/OUTにより精密さを、
この要求分析で行うことが特徴です。
分析補助操作

ツールによって出力された図やリストをもとに、人が行う分析作業(補助的作業)になります。
・ 出力されたコンテキストダイアグラムをもとに、関係者・システム外部とのやりとりを確認
・ イベントリストを確認し、状態の変化・前提条件・業務ルールなどを洗い出す
・ 抜けている要求や、冗長・重複している仕様をチェック
・ 状態遷移や最重要データに着目し、影響範囲や後続設計への懸念点を明確化
・ 必要に応じて、要求モデルや図を手動で調整・再構成
製品のご提供について
このツールは現在、まだ製品としての一般提供はしておらず、SIRASが行うプロジェクト支援や設計支援の中で使用している内部ツールです。
要件整理・上流設計のご支援をご依頼いただいた場合に、現場の構造整理・認識合わせを目的として活用しています。